事業所得と雑所得

話題になった300万円通達ですが、通達本文以外にも解説がついているので、こちらも見ておきたいところです。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/pdf/02.pdf

こちらの解説を見ると、帳簿さえつけていれば事業所得と無条件に認められるのではなく、収入に対する経費の割合が高い、マイナスの所得が継続している場合等は、雑所得と認定される可能性を示唆しています。

というわけで、帳簿を付けていたとしても、事業の必要経費とは思われない経費を多額に計上しているだけであれば、雑所得にされる可能性も十分あることでしょう。

なお、開業数年間は儲けが出ない商売というのもありますので、その場合はその旨を説明できるよう準備しておくのが無難と思います。事業概要の説明ですね。

生産緑地の2022年問題

今のところ騒ぎになっていないような。本格化は来年?

相続税(国税)の納税猶予と固定資産税(地方税)の軽減が一気に認められなくなり、生産緑地が投げ売りされて、周辺環境の悪化や土地価格の下落があるかもしれない?という問題です。

特定生産緑地を申請し自分で農業を継続する or 都市農地の貸借の円滑化に関する法律に基づく貸出で他人に農業をやってもらう

なお、都市農地の貸借の円滑化に関する法律についてはこちらのリンクで。

都市農地の貸借がしやすくなります:農林水産省 (maff.go.jp)

ランサムウェアで電子カルテに障害

ランサムウェア攻撃で電子カルテに障害、通常診療行えず ~ 大阪急性期・総合医療センター | ScanNetSecurity

ランサムウェアの攻撃が流行っていますね。既存のファイルを使用不能にされてしまい、使用可能に戻すまで相当の時間がかかるので予防策を取りたいところです。

個別ファイルのバックアップや、普段使用しているOS、アプリケーションを含めた環境のバックアップを定期的にやっておくのが一番ですかね。費用対効果を勘案すると。

固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁令和4年9月8日第一小法廷判決です。固定資産評価に携わる職員(公務員)の注意義務違反に言及した判決はよく見ますが、固定資産評価審査委員会の委員の注意義務違反に言及した判決は珍しいですね。

固定資産評価審査委員会の委員は士業や学識経験者が就任するパターンが多いのですが、この事例では先例や文献がない評価方法を適用していたようですね。

地裁や高裁の判決文の入手が困難でしたが、あるデータベースから発見されたので、これからじっくりと読んでみようと思います。

原稿寄稿

消費税の本です。この中のごく一部ですが、私の原稿が入っています。著者は租税法業界で著名な酒井克彦先生です。

「税理士業務に活かす通達のチェックポイント―消費税軽減税率Q&A等の検討と裁判事例精選10―」というタイトルです。