青色申告に係る帳簿書類等の備付け、記録、保存がないってどういう状態?

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・法人税法127条は、青色申告の承認取消しに関する規定。そのうち、帳簿書類等の備付け、記録、保存がない場合の考え方整理。

・物理的備付けがあればOKとする考え方。→書面だけならいいけど、電子取引データの割合も高まってきたので、今では適合しないかも?

・応答義務や提示義務を履行すればOKとする考え方。→税務調査で調査官の指示に従い、帳簿書類等を提示できればOKということ。ただ、昨今の電子帳簿保存法関連で、電子取引データに検索要件が加わっており、検索できない状況での提示はまずいかも?また、システム上検索できないにしても、調査官の指示に従って、納税者の側がデータを抽出して提示するのは容認されるか?

・応答、提示できればいいのではなく、さらに、「直ちに」応答、提示できればOKとする考え方。→この考え方だと、最初からシステムで検索できないときついか?ただ、書面のデータも依然として存在するのであり、電子取引データだけ「直ちに」要求するのは、バランスを欠く判断ではないか?

青色申告の取消し、帳簿はあるけど提示しない場合もアウト?

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・税務調査に当たり帳簿書類の提示を再三にわたり求めたにもかかわらず調査対象者が正当な理由なくその提示を拒否した場合→青色申告の取消し濃厚。では、正当な理由とは?

・職業上求められる守秘義務は正当な理由になるか?→ならない。税務調査官も守秘義務があり、職務上知り得た秘密を公にできないため、公にされる懸念があることを理由に拒めない

・調査官から要求されたデータが出せない場合は正当な理由になるか?→帳簿と整合していることを確認した仕訳のテキストファイルを調査官に提示して、調査官の側で加工してもらう形ではだめか?会計データならば会計システムの活用により対応できるが、電子データそのものを加工して提出してほしいと言われたらどうするか?電子データの網羅性をどうやって証明するか?

青色申告の取消しが生じうる場合の具体的な目安

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・個人の場合は「個人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」が参考に。 https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/shotoku/shinkoku/000703-3/01.htm

・大別すると5パターンあるが、注目は、5の電子帳簿保存法関連。「今後の改善可能性等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしいと認められるかどうかを検討」とあるため、調査官から指摘されたことに真摯に対応する必要あり?

・法人の場合は「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」が参考に。 https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/hojin/000703-3/01.htm

・大別すると6パターンあり。「無申告又は期限後申告の場合における青色申告の承認の取消し」があるため、期限後申告のやりすぎに注意。電子帳簿保存法関連は個人と同様に真摯な対応が必要?

日本M&Aセンター、過年度決算を訂正

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・日本M&Aセンターが売上高不正をしたとのこと。原因の一つとして売上ノルマの達成が厳しかったことがあるよう

・売上ノルマの達成に厳格かどうかは不正発生の兆候を図る要因の一つであるが、ノルマ達成に基づく人事制度も重要な要因の一つ

・売上ノルマに基づき、どれくらい人件費が影響するのか把握できているか?

・役員には労基法等関係がないため、結構派手に増減することがある。この増減根拠については、詳細な計算式が分からない場合は要注意。代表取締役社長の一存で決められており、他の取締役が逆らえない可能性がある?

・従業員給与が派手に増減する場合も注意。こちらは、詳細な計算式が用意されている場合もあるが、売上が動いたらどれくらい比例して動くか把握する必要があるか?

・会計監査をやる立場としては、売上ノルマとともに人事制度も売上の増減と人件費の増減の関係が説明できるくらいまで把握しておいた方がいいかも?

財産評価基本通達の適用が不適切なパターン

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・財産評価基本通達といえば、相続税の課税標準を計算するに当たって、実務上法律と同等の扱いにされている通達である

・相続税の税務申告を代行する場合、手数料相場に比べて安い場合は、機械的に財産評価基本通達に基づき財産評価を行うパターンが多い

・しかし、東京地裁令和元年8月27日判決は、相続財産のうちの一部の土地及び建物の価額につき財産評価基本通達の定めにより評価することが著しく不適当とした当局側の主張を認めている

・財産評価は機械的に通達に準じているから機械的にOKになるのではなく、通達に準じるにせよ、その他の方法で評価するにせよ、根拠の明確化が必要な時代であると考えられる

ワークフローシステム

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・電子帳簿保存法の改正により、電子データに対しタイムスタンプ等の承認が必要

・これに伴い注目されているのがワークフローシステム

・ワークフローとは、企業等における一連の業務の流れをいい、ワークフローシステムとは、手作業による押印ではなく、システム上で検証・承認作業をしようというもの

・ワークフローシステムは、なんでもいいというものではなく、電子帳簿保存法に適合したシステムでないと導入した意味がないので注意(JIIMA認証と呼ばれる認証があるものを導入する)

・一方で、企業等の業務は、会計や税務申告に関わるものばかりではないため、電子帳簿保存法に適合するという目的においては、導入範囲を絞ることも必要

監査報告書の署名者

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・監査報告書の署名者は、ローテーションがあり、監査契約が続く限り、いつまでも署名できないようになっている

・筆頭の責任者が5年、その他の署名者が7年というのが一般的なルールと思われる

・このローテーション制度は、被監査会社とのなれ合い防止を目的とする

・しかし、会社との信頼関係構築も重要ではないか?5年で会社との信頼関係を作れるかというと難しいのではないか?

・グレイステクノロジー等の粉飾決算も、監査法人との信頼関係を構築できず、経営陣が暴走した結果ではないか?

・現状、監査法人は、経営者とのディスカッションといい、経営者と何らかのコンタクトをとっているが、儀式的なものにすぎないのではないか?

・経営者と腹を割って話し合い、信頼関係を築こうとすると、むしろ、筆頭の責任者は最長15年くらいのローテーションでもいいのではないか?