代理人取引とは、非常に簡単にいうと、売上高・売上原価の両建てで計上していた処理を、役務収益という粗利益相当の金額を純額計上すること。法的形態はともかく、取引の流れから判断して取引の当事者ではなく代理人として仲介したとみなす会計処理です。どちらの処理を採用しても、利益は変わらないのですが、上場を目指すなどして公認会計士の財務諸表監査を受ける必要がある場合は留意が必要です。
なお、この代理人取引、悩ましいことに、純額処理すると消費税の計算に影響が出てしまいます。消費税は会計処理の影響を受けないので、売上高の対価の受取り、売上原価の対価の支払いがあれば、それぞれ課税売上高、課税仕入れとして別々に認識する必要があります。
消費税の計算は課税売上高から課税仕入れを差し引けば、算出できるわけではないので、会計処理とは別に、消費税の計算用に集計するという手間が生じます。