不正会計防止へ制度見直し 内部統制、訂正に監査義務も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB0917N0Z01C22A0000000/

これは証券取引所に上場している企業に限定される話題です。見出しだけでは意味がわからず、訂正有価証券報告書を提出し、改めて監査を実施した事例を見てみました。通常の監査報告書だと「独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書」という見出しなのですが、訂正有価証券報告書に対する監査報告書は「独立監査人の監査報告書」となっており、「内部統制監査報告書」の提出義務はないのですね。

内部統制監査報告書の監査対象は、内部統制報告書なのですが、この報告書、会社ごとの個性はほとんど見られず、定型に近い文言が5ページ程度記載があるのみなんですよね。

これを訂正時の監査対象としたからといって、企業側が不正を避けるのかというと・・・うーんという印象です。

ドル円介入こず

引き続き為替介入ネタです。今のところ為替介入はなさそうですが、今後、相当大規模にやるので、米国以外にも了解をとってやっているのでしょうか?それとも米国との協調介入を模索しているのでしょうか?

外形標準課税、資本金の額以外の基準検討

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0755B0X01C22A0000000/

減資を行って法人事業税の外形標準課税を回避してきた「大企業」が多かったですが、とうとうメスが入る方向なんですかね。同日の会合で総務省は想定される指標として「資本金と資本準備金の合算額」「純資産」「従業員数」などを示しているようです。

このうち、従業員数というのは外形標準課税の計算要素の一つである「収益配分額」の関連ですかね。収益配分額とは、非常に簡単にいうと、報酬給与額(いわゆる人件費)、純支払利子(受取りから支払いを差し引いたもの)、純支払賃借料(利子と同じ考え方)の合計額であり、従業員数以外にも借入金の多寡や設備のレンタル・リースの件数・金額規模なども影響してきます。

というわけで新しい基準を設けてもいたちごっこになるのが想定されます。どうしても課税したいというのであれば、基準を設けずに一律に広く、しかし、税率は低く課税するのが分かりやすいようにも思いますが…

随意契約ができる場合

随意契約とは、国、都道府県、市町村のような公共団体が行う契約です。通常は契約に関する公平性の確保等のため、競争入札で行いますが、随意契約とは、公共団体と業者が入札を経ずに締結した契約をいいます。

このうち、都道府県、市町村といった地方公共団体が随意契約を行える場合というのは、以下のものがあります(地方自治法施行令167条の2第1項)。

一 一定金額以下の契約の場合
二 契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合
三 障害者支援施設等との契約で一定の場合
四 一定の新たな事業分野の開拓を図る者から新役務の提供を受ける契約の場合
五 緊急の必要により競争入札に付することができない場合
六 競争入札に付することが不利と認められる場合
七 時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みがある場合
八 競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がない場合
九 落札者が契約を締結しない場合

このうち、実務上よく見かけるパターンは「一 一定金額以下の契約の場合」、「二 契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合」でしょうか。一なら金額基準が明記されているのでわかりやすいのですが、二はどんな場合が妥当なのかわからないことが多いです。最高裁昭和62年3月20日第二小法廷判決(民集41巻2号189頁)では、「当該契約の目的、内容に照らしそれに相応する資力、信用、技術、経験等を有する相手方を選定しその者との間で契約の締結をするという方法をとるのが当該契約の性質に照らし又はその目的を究極的に達成する上でより妥当であり、…そして、右のような場合に該当するか否かは、…法及び令の趣旨を勘案し、個々具体的な契約ごとに、当該契約の種類、内容、性質、目的等諸般の事情を考慮して当該普通地方公共団体の契約担当者の合理的な裁量判断により決定されるべきものと解するのが相当である。」とされています。

そうなると、資力、信用、技術、経験という最低限4要素に関し、随意契約が妥当となる理由を整理しておく必要があることになるのでしょうか。他の業者では代替できない理由を当該4要素に基づき記載するイメージでしょうか。