取締役が役務の対価として付与されたストック・オプションを使って得た利益の所得区分

・最初に最高裁で判示されたのは、最高裁平成17年1月25日第三小法廷判決。

・これは、一時所得か給与所得かで争われ、給与所得になったもの

・ストック・オプションは、会社役員等に、株式を一定の行使価格で購入できる権利を付与するものであるが、当該取締役やストック・オプションを駆使して自社株を市場価格より割安に購入し、これを時価で売却して利益を得たというもの。

・この際の売却益が給与所得と認定された。以前は、ストック・オプションを使って得た利益は一時所得になるという国の取扱いがあったが、後出しじゃんけんのように、ひっくり返されてしまった事例

・株式の売却益は偶然性がありそうに見えるが、これだけでは一時所得の要件をみたさないと認定されてしまった

・このように、国の取扱い変更が遡及的に否定される事例もあり、以前に書いたような通達の取扱いが急に変わる可能性もあるので、留意したいところ。

・当該売却益を得られた原因としては、適切なタイミングで売却したことよりも、そもそも割安に購入できる権利を、役員としての役務の対価としてもらえたことに着目したので、給与所得と認定した?