外形標準課税、資本金の額以外の基準検討

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0755B0X01C22A0000000/

減資を行って法人事業税の外形標準課税を回避してきた「大企業」が多かったですが、とうとうメスが入る方向なんですかね。同日の会合で総務省は想定される指標として「資本金と資本準備金の合算額」「純資産」「従業員数」などを示しているようです。

このうち、従業員数というのは外形標準課税の計算要素の一つである「収益配分額」の関連ですかね。収益配分額とは、非常に簡単にいうと、報酬給与額(いわゆる人件費)、純支払利子(受取りから支払いを差し引いたもの)、純支払賃借料(利子と同じ考え方)の合計額であり、従業員数以外にも借入金の多寡や設備のレンタル・リースの件数・金額規模なども影響してきます。

というわけで新しい基準を設けてもいたちごっこになるのが想定されます。どうしても課税したいというのであれば、基準を設けずに一律に広く、しかし、税率は低く課税するのが分かりやすいようにも思いますが…

随意契約ができる場合

随意契約とは、国、都道府県、市町村のような公共団体が行う契約です。通常は契約に関する公平性の確保等のため、競争入札で行いますが、随意契約とは、公共団体と業者が入札を経ずに締結した契約をいいます。

このうち、都道府県、市町村といった地方公共団体が随意契約を行える場合というのは、以下のものがあります(地方自治法施行令167条の2第1項)。

一 一定金額以下の契約の場合
二 契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合
三 障害者支援施設等との契約で一定の場合
四 一定の新たな事業分野の開拓を図る者から新役務の提供を受ける契約の場合
五 緊急の必要により競争入札に付することができない場合
六 競争入札に付することが不利と認められる場合
七 時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みがある場合
八 競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がない場合
九 落札者が契約を締結しない場合

このうち、実務上よく見かけるパターンは「一 一定金額以下の契約の場合」、「二 契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合」でしょうか。一なら金額基準が明記されているのでわかりやすいのですが、二はどんな場合が妥当なのかわからないことが多いです。最高裁昭和62年3月20日第二小法廷判決(民集41巻2号189頁)では、「当該契約の目的、内容に照らしそれに相応する資力、信用、技術、経験等を有する相手方を選定しその者との間で契約の締結をするという方法をとるのが当該契約の性質に照らし又はその目的を究極的に達成する上でより妥当であり、…そして、右のような場合に該当するか否かは、…法及び令の趣旨を勘案し、個々具体的な契約ごとに、当該契約の種類、内容、性質、目的等諸般の事情を考慮して当該普通地方公共団体の契約担当者の合理的な裁量判断により決定されるべきものと解するのが相当である。」とされています。

そうなると、資力、信用、技術、経験という最低限4要素に関し、随意契約が妥当となる理由を整理しておく必要があることになるのでしょうか。他の業者では代替できない理由を当該4要素に基づき記載するイメージでしょうか。

副業300万円通達修正

300万円以下の所得だったら反証がない限り、事業所得ではなく雑所得とする通達案が出ていましたが・・・

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000242043

300万円の金額基準が消えましたね。その代わりに帳簿書類の保存の有無という文言が加わりました。パブリックコメントという形で公に募集していたのですが、パブリックコメントに基づき内容を見直すのって珍しいですね。

軽トラ無免許運転で議員辞職

この方、去年の12月に高速道路で160km/hで走行していたところ、速度自動取締り装置(いわゆるオービス)に検知されて、免許取り消し処分になっていたんですね。その後、軽トラを運転していたところ、無免許運転で検挙されたと。

では、免許取り消しの時点で議員辞職しなくていいのか?というところですが、公職選挙法11条で、禁錮以上の刑に処せられた者が被選挙権を有しない者とされます。今回の場合は、スピード違反による免許取り消しで、事故が起きてないことから、免許取り消しという行政罰だけで済み、刑事罰はなかったということで、議員としての身分に影響はなかったということでしょうか。

しかし、免許取り消し後、無免許運転で検挙されてしまっては、事故の有無に関係なく懲役という禁錮以上に重い刑事罰になる可能性があるのでしょう。ということで、刑事罰が確定する前に議員辞職となるのはやむを得ないのでしょうね。

ちなみに、この事件が出るまで、地方議員の身分に関する規定は地方自治法にあるものと勘違いしていましたが、公職選挙法にあるんですね・・・

インボイスと独禁法

インボイス導入により、免税事業者は課税事業者との取引ができなくなるんじゃないかという話もあります。インボイス導入後、6年間は経過措置があるので、いきなり取引が打ち切られるということはないと思っており、仮にあるとすればインボイス導入以外の原因かと存じます。なお、インボイスと独禁法のQAでは課税事業者側が税込の取引価額を一方的に著しく引き下げる等の場合は独禁法に抵触するかもしれないそうです。

経過措置があるといっても、仕入税額控除が満額できないため、できる分まで税込の取引価額を引き下げようとすることもあるでしょう。

こういうのは独禁法上どうなるか?というと、インボイスと独禁法のQAを見る限り、許容範囲に見えます。インボイスと独禁法のQAでは、やはり、税込の取引価額を一方的に著しく引き下げる等の場合は独禁法に抵触するかもしれないそうです。

というわけで、取引価額の再交渉を行い、支払額を現状と同様にしてもらうように交渉するか、消費税分の引き下げを甘受するか、あるいは、課税事業者になって消費税を納めるかという形になるのでしょうか。なお、消費税の計算方法に簡易課税というのがありますが、この方法をとることにより、原則的な計算をした場合に比べて納める消費税が多額になる可能性もあります。なお、原則的な計算は業種にもよりますが、税理士が関与していないと一からやるのは困難と思います。