最高裁平成25年7月12日第二小法廷判決

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・固定資産税の判決。固定資産税は、市町村が登録した価格に基づき課税されるものであり、不服があれば、固定資産評価審査を経て判断するもの。

・固定資産評価に関する違法性判断の道筋を示した判決。固定資産税の評価は、大半の場合、固定資産評価基準に基づき実施され、特別な事情がある場合、不動産鑑定基準による評価が行われることもありうる。

・裁判官の補足意見として、不動産鑑定を使って主張する場合は、合わせて特別な事情がある点を主張する必要があると明言したことも重要。

ユニバーサルミュージック事件

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・いわゆる「租税回避」に該当するかどうかの事案。この度最高裁判決が出たもの。地裁から最高裁までの判示は以下のとおり。いずれも国側の敗訴。

・地裁「同族会社の行為又は計算が経済的合理性を欠くか否かを判断するに当たっては,当該行為又は計算に係る諸事情や当該同族会社に係る諸事情等を総合的に考慮した上で,法人税の負担が減少するという利益を除けば当該行為又は計算によって得られる経済的利益がおよそないといえるか,あるいは,当該行為又は計算を行う必要性を全く欠いているといえるかなどの観点から検討すべきものである。」

・「諸事情等を総合的に考慮」といった形で納税者寄りの判決?

・高裁「同族会社等の行為又は計算が同項にいう『これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの』か否かは,専ら経済的,実質的見地において当該行為又は計算が純粋経済人として不自然,不合理なものと認められるか否か,すなわち経済的合理性を欠くか否かという客観的,合理的基準に従って判断すべきものと解される。」

・「客観的、合理的基準に従って判断」としており、諸事情等の考慮は言及せず。地裁よりは厳しい判決?

・最高裁「同項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、法人税の負担を減少させる結果となるものをいうと解するのが相当である。」

・最高裁では、基準への言及もなくなった形?認定事実に基づき淡々と判断をするということか?

・基準を示してしまえば、当該基準を形式的に整える輩が出てしまうから、このような判示となるのは当然か?

相続したマンションで路線価などに基づいた不動産評価が低すぎるなどとして課税した国税当局の処分の妥当性が争われた訴訟

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・「最高裁『伝家の宝刀』にお墨付き」といったセンセーショナルな見出しで報じる記事もありますが、最高裁自体は当該「伝家の宝刀」についての判断は下していません。

・不動産評価は、時と場合に応じて、路線価や不動産鑑定評価など適切に使い分けるという当然のことを判示したものであって、路線価よりも不動産鑑定評価の方が適切と一般的に判示したものでない点も留意。

・この判決を悪用して、必要もないのに不動産鑑定評価を乱用し、私腹を肥やす輩が登場しないかどうか懸念するところ。

消費税インボイス交付義務が免除されるパターン

・税務業務をやっているとインボイスが話題になることが多いですが、インボイスの交付義務が免除されるパターンについて簡単に解説を。

・改正後の消費税法57条の4第1項但書、消費税法施行令70条の9第2項を参照。

・3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送→3万円以上だとインボイスの交付が必要。判定基準は、1回の取引なので、複数人で新幹線切符をまとめて購入する場合や長期間の定期券を購入する場合は、3万円以上なので、インボイスが交付されると思われる。窓口販売だと判断が面倒そうな印象が。

・出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売

・生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売→前述の卸売市場といい、食べ物系が目立ちます。

・3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等→食品の自動販売機等が想定されます。なお、先ほどの公共交通機関の自動券売機はこの特例に該当しません。ここでいう機械はサービスや物品の提供と代金の授受が当該機械で完結するようなものを指しており、先ほどの自動券売機は代金の精算と切符の発行だけで、交通機関により運搬するというサービスは別途提供されるので、該当しません。

・郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス→ポストに投函されたものだけが該当し、郵便局の窓口で運搬を依頼した場合は、該当しません。

・こうやって見てみると、インボイスの交付義務が免除されるパターンって、かなり特殊なものに限られていて、例外なく対応が求められますね。

住宅借入金控除

・年末借入金残高の最大1%から最大0.7%が税額控除可能額に、控除できる期間が最長10年から13年に延長となりました。

・これは既存の住宅借入金控除適用者には関係ありません。既存の適用者は住宅を建てたタイミングや建てた住宅の種別により取扱いが異なります。

・今回の改正が遡及して適用されることがないので、焦る必要はありません。

e-taxトラブル関係

3/14から発生していたたe-taxのトラブルで、通常e-taxで提出し、青色申告控除を65万円受けていた方が、やむをえず紙面で提出し青色申告控除を55万円とした場合の救済措置が出ていますね。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/data/faq.pdf

こちらの問3参照です。ただし、無条件に認められないので4/15までに対応しましょう。

青色申告に係る帳簿書類等の備付け、記録、保存がないってどういう状態?

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・法人税法127条は、青色申告の承認取消しに関する規定。そのうち、帳簿書類等の備付け、記録、保存がない場合の考え方整理。

・物理的備付けがあればOKとする考え方。→書面だけならいいけど、電子取引データの割合も高まってきたので、今では適合しないかも?

・応答義務や提示義務を履行すればOKとする考え方。→税務調査で調査官の指示に従い、帳簿書類等を提示できればOKということ。ただ、昨今の電子帳簿保存法関連で、電子取引データに検索要件が加わっており、検索できない状況での提示はまずいかも?また、システム上検索できないにしても、調査官の指示に従って、納税者の側がデータを抽出して提示するのは容認されるか?

・応答、提示できればいいのではなく、さらに、「直ちに」応答、提示できればOKとする考え方。→この考え方だと、最初からシステムで検索できないときついか?ただ、書面のデータも依然として存在するのであり、電子取引データだけ「直ちに」要求するのは、バランスを欠く判断ではないか?