償却資産税の裁判例

ざっと調べた限りでは見つからないですね。固定資産税はかなりあるのですが、償却資産税となると所得税や法人税の規定とほぼ一緒だから争点がないのでしょうか。

なお、償却資産の固定資産評価基準もありますが、土地や家屋に比べて少ないページ数です。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000755428.pdf

土地や家屋も含めた一覧はこちらです。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html

いわゆる少額資産の償却資産税における取扱い

1単位当たり10万円未満の減価償却資産は、法人の場合だと、費用処理していれば償却資産税の課税対象外、資産計上していれば償却資産税の課税対象というように取扱いに違いがあります。

これは、法人税の少額資産に関する規定が、「内国法人がその事業の用に供した減価償却資産…で、取得価額…が十万円未満であるもの…を有する場合において、…損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する」となっていることが根拠になります(法人税法施行令133条1項)。

「損金経理をしたときは」とあるので、資産に計上する場合と、損金(費用)に計上する場合の2パターンがあるため、償却資産税でも差が出るわけですね。

ちなみに個人事業主の場合は、所得税法の少額資産に関する規定が、「居住者が…所得を生ずべき業務の用に供した減価償却資産…で、取得価額…が十万円未満であるもの…については、…所得の金額の計算上、必要経費に算入する。」となっており、法人税とは異なり、資産に計上するパターンを想定した条文になっていません(所得税法施行令138条1項)。

では、資産計上した場合はどうなるのか?ということですが、資産計上されたものは、会計・税金の計算ソフトを使って作成した場合、「償却資産課税台帳」に反映されると思います。償却資産税は、償却資産課税台帳の価格を基礎に課税されるので(地方税法349条の2)、少額資産であっても資産計上すると課税対象になってしまうものと考えられます。

インボイス導入に伴う20%納付

税制改正大綱で出てましたが、確定という理解でいいんですよね?ちなみにこの方式だと、消費税の課税対象となる売上高が8百万円(すべて税率10%とする)の人の場合、納める消費税は8,000,000×10%×20%で、16万円となります。

利益率が20%未満の業種ならば、原則どおり計算すればいいですし、簡易課税でもこれだけ納付額が少なくなる業種は限定されています。簡易課税だと、卸売業が10%(みなし仕入れ率90%)、小売業が20%(みなし仕入れ率80%)等くらいです。

ただし、これは3年間の時限措置で、あと従来免税事業者でインボイス登録をして新たに課税事業者になる人限定ですので、注意です。

退職金課税「勤続年数関係なく一律に」 政府税調で意見

退職金課税「勤続年数関係なく一律に」 政府税調で意見: 日本経済新聞 (nikkei.com)

退職金に対する課税というのは、給与に対する課税よりも優遇されています。退職金は、所得税法上退職所得とされて、以下の式で計算されます。

(収入金額(税金が源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

というわけで税金がかかる基礎となる金額が収入額の半分になりそうだということがわかるかと思います。さらに、収入金額の半分に対して、そのまま税金がかかるわけじゃなくて、退職所得控除額をマイナスされます。退職所得控除額は以下の式で計算されます。

勤続年数(=A)退職所得控除額
20年以下40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (A – 20年)
国税庁サイトより

というわけで、勤続年数20年で退職し、退職金(収入金額)が800万円以下の場合は、退職金に対して全然税金がかからないことがわかるかと思います。(10年なら400万円以下、5年なら200万円以下。一方で、30年なら1500万円以下、25年なら1150万円以下。)

引用した記事では、20年超の取扱いについて見直しを検討しているようですが、20年以下の取扱いはどうするのでしょうか。勤続20年超の経験を他社で活かすって、日本だと中々大変な印象があるのですが・・・

インボイス制度 円滑化のための緩和措置がさらに追加

緩和措置のうち、「免税事業者が課税事業者を選択した場合、納税額を売上税額の2割とする措置(令和5年10月から3年間)」は、簡易課税より優遇されていますね。

なお、この措置は元から課税事業者の人には適用されないため、注意です。令和5年9月までの期間において消費税が課されることになる事業者は対象外となります。

固定資産の価格に係る不服審査

固定資産税関連です。固定資産の価格に係る不服審査のフォームは自治体によって様々ですね。中にはフォームが用意されていないところも。また、フォームに書いてある事項を埋めただけでは審査の材料が足りないのでは?と思われる事例も多々あり。結局審査を申し立てる側が十分な用意をしなきゃいけなくて大変ですね。

固定資産評価員

固定資産税評価額の算定を担う方ですね。募集要項を見ていると、不動産鑑定士又は不動産鑑定士補の人が多いんですかね。なお、議員と兼務しちゃいけないとか(地方税法406条)、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者等の欠格事項に該当する人はなれないとかいう縛りがあるようですね(地方税法407条)。