退職所得

勤続年数が20年超の人が税負担増になるとか、ならないとか。税制により転職を促すよりも、まずは転職しやすいよう、規制を変更しないといけないような。

法人税法31条

減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法を規定した条文なのですが、損金経理しないと所得から控除できない(申告調整での控除は許さない)、政令に規定した償却の方法で計算した限度額を上限に損金として認めることが読み取れます。

では、下限の規定はないという理解でいいんですかね?これをもって下限はないという考えの人も、そもそも条文に規定する以前の話で、税金計算の基礎となる決算の段階で、正しく減価償却の計算が必要とする考えの人もいるかと思います。

所得税法と法人税法の減価償却計算

所得税法49条1項

 居住者の…減価償却資産につきその償却費として第三十七条(必要経費)の規定により…必要経費に算入する金額は、…償却の方法の中からその者が当該資産について選定した償却の方法…に基づき…計算した金額とする。

法人税法31条1項

 内国法人の…減価償却資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の所得の金額の計算の通則)の規定により…損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額…のうち、…償却の方法の中からその内国法人が当該資産について選定した償却の方法…に基づき…計算した金額…に達するまでの金額とする。

このように、法人税法の方は、「償却費として損金経理をした金額…のうち」とあるので、減価償却費の計上額は法人税の計算においては、任意で決められる、所得税法では、法人税法のような文言がないため、強制的に決まるということを主張する人もいるようです。

新設法人の「資本金又は出資の額」

消費税の納付は、必ずしも法人設立1期目から必要なものではなく、事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が千万円以上の法人等に限定されています(消費税法12条の2第1項)。では、「資本金の額又は出資の金額」というのは、どのような法人を指すのでしょうか。資本金といえば、株式会社がまず思い浮かびます。それでは、出資の金額とは?

この辺りは消費税法基本通達で示されています。

(出資の金額の範囲)
1-5-16 法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》に規定する「出資の金額」には、営利法人である合名会社、合資会社又は合同会社に係る出資の金額に限らず、農業協同組合及び漁業協同組合等の協同組合に係る出資の金額、特別の法律により設立された法人で出資を受け入れることとしている当該法人に係る出資の金額、地方公営企業法第18条《出資》に規定する地方公共団体が経営する企業に係る出資の金額及びその他の法人で出資を受け入れることとしている場合の当該法人に係る出資の金額が該当するのであるから留意する。

というわけで、協同組合のような非営利法人、その他「出資」を受けいれる法人、地方公共団体における特別会計なども対象になっています。

信託型ストックオプション、株価算定に新ルール

https://startup-db.com/magazine/category/research/stockoption_zeisei

ストックオプション行使時に得た利益は給与所得扱いとなることになりましたが、ストックオプション付与時の株価算定方法として、純資産価額ベースの方式も認めると明言したんですね。今まではそれができないので、外部専門家に委託して算定していたのですが、少しは簡便になるのでしょうか。

インボイス保存義務に関する少額特例

税込金額1万円未満のインボイスの保存義務が不要とされている経過措置です。この経過措置は、基準期間(2年前又は2事業年度前の売上高)における課税売上高が1億円以下、特定期間(1年前の上半期又は1事業年度前の上期の売上高)における課税売上高が5000万円以下の場合に適用が可能です。

新規開業した個人や新規設立した法人は、基準期間がないため、1期目は消費税の納付義務はありません。しかし、資本金が1000万円以上である等の一部の法人は、1期目から消費税の納付義務があります。

消費税の納付義務がないなら、少額特例が適用できるかどうかは気にする必要がないですが、基準期間も特定期間もない1期目から消費税の納付義務がある法人は、少額特例が適用できるのかどうか、よくわかりません。少額特例の根拠条文を読む限り、2期目からは、特定期間の課税売上高に基づき、経過措置を適用することも可能ですが、1期目は、基準期間はもちろんのこと、特定期間が存在しないので、少額特例が適用できず、インボイスの保存義務があるように見えるのですが・・・

信託型ストックオプションによる株式譲渡益は給与所得?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC206RJ0Q3A420C2000000/

日経新聞の有料記事です。日本の税制だと、「税制適格」とされるストックオプションを行使したことによる株式譲渡益でないと、株式譲渡益であっても給与所得扱いにされてしまいます。給与所得だと所得税と住民税を合わせて最大55%ほどが税金となってしまいます。

なお、「税制適格」の概要は経産省のページなどにあります。

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/stock-option.html

対象者を増やしたり、権利行使期間を延長する等、一定の歩み寄りはあります。しかし、権利行使限度額が「年間1200万円を超えないこと」ということなど、株式上場を果たしてストックオプションの行使により、巨額の富を得たいような方々には不満があるのかもしれません。