新リース会計基準の影響

https://www.ey.com/ja_jp/insights/consumer-products/info-sensor-2024-10-05-industries

この記事では、負債が増加することにより、公認会計士による会社法監査が必要となる子会社が増える可能性があるとあります。しかし、新リース会計基準は、上場会社の子会社や、上場会社自身又は上場を目指す会社でもない限り、適用することはないでしょう。

というわけで、新リース会計基準により、会社法監査が新たに必要となる会社は、以下のパターンが想定されます。

1 上場会社の関係会社(グループの方針次第では子会社だけとは限りません。)

2 上場会社自身(金融商品取引法監査は受けていますが、会社法監査を併せて受けていない場合もあります。)

3 上場を目指す会社(上場準備会社)

リース会計基準改正による税制への影響

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/request/meti/06y_meti_k_19.pdf

現行のままだと、税制上リースに該当しない資産・負債が計上され、会計監査を受けるような会社では、会計処理と税務処理の乖離が激しくなるので、経産省から要望が出ているようです。しかし、改正後のリース会計基準では、各法人の個別判断で、リース期間が必ずしも契約に基づいた年数ではなくなるため、税制上の手当てをするといっても、難しいそうに見えますが、どうなるのでしょうか。

リース会計の注記

短期リース料(会計基準適用指針100項(1))、セールアンドリースバックやサブリース(会計基準適用指針101項)など、対応が面倒そうな注記がありますね。会計処理のための事務が増えますが、注記のための事務も増えますので、留意が必要です。

リースの利子込み法

リース会計基準の続きです。使用権資産とリース負債を計上することになる場合、リース負債の取崩額の計算がやっかいです。いわゆる元利均等返済のような会計処理が必要で、毎月の支払額は一定ですが、その支払額を元本部分と利息部分に区分して会計処理する必要が出てきます。

この点については、簡便的な処理が旧リース会計基準から引き継がれていて、使用権資産及びリース負債は、借手のリース料をもって計上し、支払利息は計上せず、減価償却費のみ計上するという利子込み法が、引き続き認められています(適用指針40項(1))。

https://www.asb-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/4/lease_20240913_04.pdf

リースの重要性

実務的には一番気になる少額リースの取扱いですが、適用指針の22項及び23項に規定があります。

https://www.asb-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/4/lease_20240913_04.pdf

リース契約1件当たりの金額の算定の基礎となる対象期間は、「契約に定められた期間」でもOKのようで、機械的に判定できる余地が一応あるようです。