最高裁平成15年6月26日第一小法廷判決

・固定資産税の課税標準となる「適正な時価」の意義について、適正な時価とは、正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうと解されるという判断を最高裁として最初に示した判例。

・固定資産税の課税標準となる土地との課税台帳における登録価格と適正な時価との関係を示したとされる最高裁平成25年7月12日第二小法廷判決にもつながる重要な判例

大阪地裁平成23年12月2日判決

 固定資産税評価額を不服として訴訟に至った事例。固定資産評価基準にのっとって算定された宅地価格は、当該評価方法によっては客観的交換価値を適切に算定できない特別の事情又は同評価基準が定める減点補正を超える減価を要する特別の事情の存しない限り、適正な時価であると推認できることから、単に不動産鑑定書を提出しただけでは、特別な事情があるとは認められず、不動産鑑定基準による評価の方が合理的である点を説明できなければ不服が認められないと判示されたもの。

最高裁平成25年7月12日第二小法廷判決

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・固定資産税の判決。固定資産税は、市町村が登録した価格に基づき課税されるものであり、不服があれば、固定資産評価審査を経て判断するもの。

・固定資産評価に関する違法性判断の道筋を示した判決。固定資産税の評価は、大半の場合、固定資産評価基準に基づき実施され、特別な事情がある場合、不動産鑑定基準による評価が行われることもありうる。

・裁判官の補足意見として、不動産鑑定を使って主張する場合は、合わせて特別な事情がある点を主張する必要があると明言したことも重要。