電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項(リモートワーク対応第6号)

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・通常書面で行う残高確認等の監査手続(例、銀行からの残高証明の入手、弁護士に対する訴訟事件の内容確認)を電子メールで行う場合の留意点をまとめたもの。

・8つの例示があり、それぞれの手続に係るリスクが挙げられている。

・複数先に確認する(営業担当者だけでなく、経理担当者等別の部署のものも含めるCcの活用)、ドメインの信頼性確認、電子署名の活用等は理解できる

・しかし、例示とはいえ、電子メール送信先に電話確認する手続が含まれているのはまずいのではないか?グレイステクノロジー社のように取引先も巻き込んで不正が行われた事例があるから、当該手続は例示とはいえ、早急に削除すべきでは?

・そもそも監査基準委員会報告書(日本公認会計士協会が定めた監査の具体的規則)の「確認」にも取引先への電話確認に言及している模様。これも早急に削除対象では?

PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項(リモートワーク対応第3号)


※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・財務諸表監査の際に、契約書を紙面ではなくPDFで閲覧することが多くなったので、日本公認会計士協会から発出された実務指針。

・確かに紙面からPDFの変換過程での偽装はいまだ多い。最近でも東証一部上場のグローリーでも横領した者が残高証明書を偽造したといったことがありました。

・しかし、最近は加工技術が巧妙になっており、人力でこれを見抜くのはきついのではないか?

・筆跡鑑定や加工の有無を自動で行う監査ツールの開発がまたれるところ。

・今のところは、文書のプロパティや電子署名の有無で証拠力を判断するしかないか・・・

・取引先に書面で直接確認をするのもありだが、DXの流れからすると原始的すぎる?

青色申告に係る帳簿書類等の備付け、記録、保存がないってどういう状態?

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・法人税法127条は、青色申告の承認取消しに関する規定。そのうち、帳簿書類等の備付け、記録、保存がない場合の考え方整理。

・物理的備付けがあればOKとする考え方。→書面だけならいいけど、電子取引データの割合も高まってきたので、今では適合しないかも?

・応答義務や提示義務を履行すればOKとする考え方。→税務調査で調査官の指示に従い、帳簿書類等を提示できればOKということ。ただ、昨今の電子帳簿保存法関連で、電子取引データに検索要件が加わっており、検索できない状況での提示はまずいかも?また、システム上検索できないにしても、調査官の指示に従って、納税者の側がデータを抽出して提示するのは容認されるか?

・応答、提示できればいいのではなく、さらに、「直ちに」応答、提示できればOKとする考え方。→この考え方だと、最初からシステムで検索できないときついか?ただ、書面のデータも依然として存在するのであり、電子取引データだけ「直ちに」要求するのは、バランスを欠く判断ではないか?

ワークフローシステム

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・電子帳簿保存法の改正により、電子データに対しタイムスタンプ等の承認が必要

・これに伴い注目されているのがワークフローシステム

・ワークフローとは、企業等における一連の業務の流れをいい、ワークフローシステムとは、手作業による押印ではなく、システム上で検証・承認作業をしようというもの

・ワークフローシステムは、なんでもいいというものではなく、電子帳簿保存法に適合したシステムでないと導入した意味がないので注意(JIIMA認証と呼ばれる認証があるものを導入する)

・一方で、企業等の業務は、会計や税務申告に関わるものばかりではないため、電子帳簿保存法に適合するという目的においては、導入範囲を絞ることも必要

電子取引記録の保存の具体例(請求書・領収書の発行者の立場から)

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・請求書、領収書をword等で作成し、PDFファイルとして電子メールで送信する場合を想定

・このうち領収書をPDFファイルにした場合は、紙ではないので、印紙税は不要(請求書は紙でも印紙税不要)。というわけで領収書を大量に紙で発行している事業者は、電子化にメリットがあるかも?

・受け取った側としては、取引年月日、取引金額、取引先等の情報が検索できるようになっているとうれしいかも?

・PDFだと、メールソフトの検索機能は利用できない?

・メール本文に 取引年月日、取引金額、取引先(自身の名称)等の情報 を書けばメールの検索機能で、電子帳簿保存法で求められている情報が検索できるかも?

・請求書、領収書という存在をなくして、メールの題名に請求書、領収書とつけて、請求メール、領収メールに転換するのもありではないか?

電子取引記録の保存の具体例(通販サイトの利用者の立場から)

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

・電子取引とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引

・電磁的方式とは人の知覚によって認識できない方式。わかりづらい表現だが、アプリをインストールしていないと認識できない電子メール、PDFファイル等を包含する概念と考えていいのではないか?

・通販サイトの場合、当該サイトに行けば取引情報が残っている。

・少なくとも日付による検索は可能なパターンは多い

・また、連番管理されており、取引の特定も容易である

・ということは、サイトのスクリーンショットをわざわざ画像ファイル等にして保存する必要はないのではないか?当該通販サイトの情報を利用者側が勝手に削除できないはず

・注文書番号等の連番は、当該通販サイト独自のものもあり、利用者からは規則性が分からない場合もあるが、仕訳や伝票の摘要欄に記録しておけば、利用者側で当該番号がわかるPDFファイル等を保管する必要はないのではないか?

電子帳簿保存法の「電子取引の取引情報」

※ 論点整理を目的とした投稿ですので、事案の概要と論点をひとまとめにした箇条書きのみを記載しています。結論は、どこかの媒体で発表するかもしれませんし、発表しないかもしれません。

1.全般

・「電子取引の取引情報」とは、データ。紙でもらっていた請求書、領収書、納品書等を電子化したもの。

・これを印刷して会計処理の根拠として保管するのが一般的だったが、電子帳簿保存法の改正により、紙で保存するのがダメになっちゃう?

・「電子取引の取引情報」ってどうやって保存するの?電子メールやその添付ファイルが届いたら、そのまま保管してるだけじゃダメか?

・電子メールや添付ファイルの他、当該取引先のウェブサイトで「電子取引の取引情報」が閲覧できる場合でも、わざわざデータ化して残しておかなきゃいけないか?

2.システム関係書類等の備え付け

・システム概要書って市販の会計ソフトだけなら、当該ソフトの説明書で十分ではないか?

・運用規程って普段やっていることを箇条書きで整理すれば十分じゃないか?

3.検索要件関係

・帳簿の摘要欄に「電子取引の取引情報」が識別できる番号を記載する運用にすれば、「電子取引の取引情報」の整理表など作る必要はないのではないか?

・取引先のウェブサイトで確認できる「電子取引の取引情報」については、わざわざファイルで保存する必要はなく、税務調査等で照会があった場合に、遅滞なく示せるように整理しておけば十分ではないか?

・取引先のウェブサイトで確認できず、取引先から電子メール等で送信されてきた「電子取引の取引情報」は、帳簿の仕訳番号、伝票番号等をファイル名に加えて整理しておけば十分ではないか?