地方法人課税に関する検討会

総務省で地方法人課税に関する検討会が令和4年8月から始まったようですね。資料はリンク先です。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chihou_hojinzei_r04/index.html

こちらの全体版配布資料の12/35に、地方税の一つである事業税について、外形標準課税の対象となる法人を再検討するような旨の記述があります。現状、外形標準課税は、資本金等の額が1億円を超える法人に課税されます(地方税法72条の2参照。ただし、公益法人法人等の特殊法人を除く。計算方法は違うが、ガス供給業や電気供給業を行う法人も含む。)

外形標準課税とは、簡単にいうと、「所得」がなくても、資本金等の額、人件費、支払利息、不動産の支払賃料を基礎に、事業税が課税される仕組みです(ガス供給業や電気供給業の場合は収入割といって、収入(会計上の収益)ベース)。

全国的に著名な企業が減資を行い、資本金等の額を1億円以下にして、外形標準課税による課税を避ける事例が多発したから、見直しをかけるという意図なのでしょうか?

民泊から得られた収入の所得区分

不動産オーナーの中には、いわゆる民泊で収入を得ている人もいます。民泊は、業種でいえば簡易宿泊業に分類されますが、不動産を貸し付けているという側面も否定できません。

それでは、副業として民泊により収入を得た場合の所得区分は、どう考えればいいでしょうか。日本の所得税法では、不動産を貸し付けたことにより得た収入は、不動産所得とされます。しかし、不動産を貸し付けるというと、借りる側からすると、住所を得たい、生活の拠点を得たいといった意思があると考えられます。

この点、民泊は、不動産の利用者側からすると、旅行中の拠点を確保しておくという側面があり、不動産を借りて生活の拠点を得るという側面はないものと思います。

ということは、民泊から得られた収入は、不動産所得ではなく、また、副業にすぎないということであれば、現行法上は、雑所得と区分するのが適切ではないかと考えられます。

個人事業主が支払った借入金利息の必要経費性

借入金の利息を支払ったら機械的に必要経費になると思うのは危険です。

https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0403070000.html

こちらは国税不服審判所という、税務調査等で不満があった場合に解決を図るところです。裁判にする前にこちらで解決を図ることがあります。

リンク先を見ると、案外必要経費として認めてもらえないパターンが多いのが分かるかと思います。なお、必要経費と認めてもらえない利息の元本である借入金は、事業所得の計算の基になる決算を組むに当たり、個人事業における借入金に該当しないことから、負債の借入金にするのもバランスを欠くので、負債ではなく、店主勘定の「事業主借」に含めて処理するのが適切と考えます。

土地の評価単位の最高裁判決

今のところ、平成7年6月9日第二小法廷判決になるんですかね。とはいえ、税務訴訟資料にしか載っていないから、個別事例に対する判決という意味合いが強そうな。

近い将来それが見込まれ、かつその実現が確定的である場合には、一体利用が見込まれる他の筆の宅地をも併せた一画地の宅地についての評価を通じて、個別の宅地の評価をすることが相当という判示です。過去の使用実績とどうバランスをとって評価するか、悩ましいですね。

副業の所得区分

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410040064

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000239212

所得税基本通達の変更案に、「収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証のない限り、業務に係る雑所得と取り扱って差し支えない」とあるため、今まで副業の所得を事業所得で処理していたのが雑所得にされちゃうんじゃないかという話があるようです。

 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)とされているだけです(所得税法27条1項)。また、より具体的な内容は最高裁昭和56年4月24日第二小法廷判決で示されており、「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」とされ、所得税法の条文と同様に、金額の縛りはありません。最高裁の定義のうち、「自己の計算と危険」というのが分かりにくい表現ですが、収入を稼ぐためのコストやリスクを自己で負担するようなものと捉えてもらえれば十分です。

 所得税基本通達は法律ではないですし、また、そもそも「特に反証のない限り」とあるため、300万円を超えなかったら一律に雑所得とされてしまうような実務にはならないと考えます。そのため、架空の収入及び経費を計上して、所得金額を変えずに、収入金額だけ300万円を超えさせるようなことはやめておきましょう。課税当局はその程度の不正は想定しています。仮にこのような不正をやり、課税当局に認識されてしまうと、懲罰的な多額の課税が待っているので、くれぐれもやらないように・・・

不動産の評価における適正な時価

地方税なら固定資産評価基準、相続税なら財産評価基本通達。簡便性と公平性のバランスを勘案した結果、これに従う評価が大半。これがおかしいというためには、不動産鑑定をとればいいというのではなく、固定資産評価基準や財産評価基本通達では、「適正な時価」が算定できないという特別の事情が必要。

この話題、何度も書いてますけど、ハードルが高いですね。訴訟で勝訴しようとすると特に・・・