大規模な工事を請け負う建設会社では、実行予算を策定したうえで、実際の工事原価が予算を超過していないかどうか厳しくチェックされます。予算超過が発生してしまうと、工事担当者の人事考課にも影響することもあるようです。
そのため、工事担当者としては、自身の担当する工事に、予算超過が起こりそうな状況になると、自身の担当する他の工事に、予算超過が起こりそうな工事の原価を計上するという不正を働きます。これが原価付け替えというやつです。
原価付け替えを防止しようとすると、月次単位で工事ごとの原価発生状況が一覧できるレポートを出力し、一定水準以上の原価が発生している工事について、工事担当者とその上席者に対するアラートを出すといった内部統制が一例として考えられます。