支配人とは、会社や商人に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する商業使用人とされる(会社法11条1項、商法21条1項)。商人とはいわゆる個人事業主をイメージしてもらえるといいと思います。
個人事業主でいう支配人とは、株式会社でいう代表権を持った取締役を自分以外に選任するイメージですかね。なお、支配人を選任したときは、登記が必要です(会社法918条、商法22条)。また、会社の本店・支店の事業の主任者であることを示す名称又は商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、実際に支配人として選任されているか否かに関わらず、支配人とみなされることになります(会社法13条、商法24条)。
したがって、安易に「支配人、支店長」といった肩書を与えると、肩書を与えられた人が会社の意思にそぐわない取引を行った場合、後処理が面倒となる可能性があります。立派な肩書を与えることで、使用人・従業員を鼓舞する効果がありますが、注意が必要です。