コインパーキングと自販機特例

消費税のインボイスです。自販機特例というのは、取引金額が3万円未満で、代金の受領と資産の譲渡等が自動で行われる機械装置であって、その機械装置のみで、代金の受領と資産の譲渡等が完結するものを指します(インボイス通達3-11)ですので、飲料などの自動販売機は自販機特例に該当し、利用者に対するインボイスの交付が不要です。

では、コインパーキング(ロック板のある方式)はどうかというと、代金の精算機とロック板が別々の機械装置だから該当しないということのようです。代金の精算機とロック板はセンサーで連動しているので、実質的には自販機特例の対象でも差し支えないような印象がありますが、だめなようです。

ただし、コインパーキングは、不特定多数の顧客を対象にしたものですので、正規のインボイスのように、利用者の氏名等の記載は不要です。ですので、代金を精算すると出力される領収書に、事業者のインボイス登録番号等が印字されていればよいということになります。これを適格簡易請求書といいます。

タワマンの財産評価

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410050055&Mode=0&fbclid=IwAR0PVBEdfBjrkj-ii73Bbkux_esNDuBzcPJUaQb1Ph1tQ2jmA1d5vbSqSGE_aem_AYzlI1PaY58zeYqLR1DRuF9oDk7Qfvdhx4_NUmfh8LsJbNNUizLb-zHaghKFkS-VJHs

国税庁がパブリックコメントを募集してますね。重回帰法とはまた難しい方法を出してますね。計算自体はワークシートを使えばできますが、納税者が納得するかどうか。

輸入品のインボイス?

昨今、話題のインボイスですが、輸入品はどういう取り扱いになるんでしょうか。現行法だと、国内取引でいう請求書等は、「保税地域から引き取る課税貨物」は、関税法67条や消費税法施行令49条5項に規定する輸入許可書に相当します。輸入許可書の記載事項は以下のとおりです(消費税法30条9項3号)。

 納税地を所轄する税関長

 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなつた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取ることができることとなつた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)

 課税貨物の内容

 課税貨物に係る消費税の課税標準である金額並びに引取りに係る消費税額及び地方消費税額

 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

この記載事項ですが、インボイスの導入後はどうなるのでしょうか。2023年10月1日から施行の条文を見てみます。こちらだと、適格簡易請求書等の追加があるため、消費税法30条9項5号に変わっています。

 納税地を所轄する税関長

 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなつた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取ることができることとなつた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)

 課税貨物の内容

 課税貨物に係る消費税の課税標準である金額並びに引取りに係る消費税額及び地方消費税額

 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

というわけで、条文の記載は変わっていないですね。条文を示さずに、輸入先である外国の業者が日本のインボイスを発行しないと、消費税の計算からマイナスできないというような説明をするサイトを見かけたのですが、本当なのでしょうか・・・

特定役員退職手当等

退職所得の計算は、今のところ優遇されており(本投稿の時点で見直しが議論されています)、 (収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額 となっています。退職所得控除額は勤続年数20年以下だと、1年当たり40万円控除できますし、また、控除後の金額そのものが退職所得とされるのではなく、その1/2が退職所得となります。しかし、1/2の適用については、例外があり、「特定役員退職手当等」「短期退職手当」といった、勤続年数が5年以下の人が受け取る退職金は、1/2の計算がされず、控除後の金額そのものが退職所得になります。

神戸製鋼、子会社の元役員の架空発注で6億2000万円所得隠し…別に10億円申告漏れ

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230710-OYT1T50168/

有名上場企業の子会社での不祥事が散見されますね。規模次第では監査人、内部監査部門も詳細なチェックをしていない可能性がありますから、第三者からのチェック機能が働いていないとこういうことになりますかね。

源泉徴収義務(報酬若しくは料金、契約金又は賞金)

給与で、所得税が源泉徴収されており、所得税を差し引いた額が支給されるのは、有名ですが、給与とは違う、報酬等でも源泉徴収されて支払われることが規定されています(所得税法204条1項)

 原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料並びにこれらに類するもので政令で定める報酬又は料金

 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の規定により支払われる診療報酬

 職業野球の選手、職業けん闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

 映画、演劇その他政令で定める芸能又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演若しくは演出(指揮、監督その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)

 キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類する施設でフロアにおいて客にダンスをさせ又は客に接待をして遊興若しくは飲食をさせるものにおいて客に侍してその接待をすることを業務とするホステスその他の者(以下この条において「ホステス等」という。)のその業務に関する報酬又は料金

 役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの

 広告宣伝のための賞金又は馬主が受ける競馬の賞金で政令で定めるもの

というわけで、2号にあるように、我々公認会計士に対する報酬も源泉徴収の対象となります。なお、「政令で定めるもの」という文言が目立ちますが、これは、所得税法施行令の320条を指します。

例えば、2号の場合だと、公認会計士や不動産鑑定士だけでなく、会計士補や不動産鑑定士補といった人たちの業務に関する報酬又は料金も含まれる旨が規定されています。