株式会社の役員と法人税法に規定する役員の比較など

会社法329条1項の規定
「役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。」とされています。会計監査人は監査法人だけでなく個人の公認会計士も就任可能ですが、役員ではないとされています。

一方で法人税法2条15号の規定
「役員 法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定めるものをいう。」とされており、株式会社の取締役、会計参与及び監査役(執行役は指名委員会等設置会社の場合必要、清算人は株式会社を清算する場合の業務執行者)のほか、
いわゆる経営顧問など、法人の経営に従事している者のうち政令で定めるもの(法人税法施行令7条)などが含まれます。また、会計監査人は法人の経営に従事している者ではないため、法人税法上も役員に該当しないと考えられます。
加えて、公認会計士は、会社法等の会計監査を実施するに当たっては、対象法人との利害関係がないこと(独立性の確保)が求められており(公認会計士法24条)、取締役などの役員報酬が給与所得に該当するかどうかを判断する際の規範の一つである「非独立的な役務」を対象法人に対し提供していることにはならないことから、会計監査人としての報酬は給与所得に該当しないと思料します。

修了考査合格発表

昨日あったようですね。合格された方はおめでとうございます。

合格すると公認会計士と名乗りたくなる気持ちはわかるのですが、公認会計士と名乗れるのは登録された後です(公認会計士法17条)。所属する監査法人等からも言われているかと思いますが、注意しておきましょう。

会計監査人の上場会社等監査人名簿への登録拒否処分の通知受領に関するお知らせ

https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20250218577897/

上場会社等だと、公認会計士というだけではだめで、監査人名簿に登録されないと財務諸表監査ができません。こちらの会社の監査人は、処分を受けて、監査人名簿への登録が拒否されてしまったので、来期から別の監査人を探す必要があるわけです。

同様の事例が多発していますね。

公認会計士法上の大会社等の監査実施規定

公認会計士は、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行うときは、他の公認会計士若しくは監査法人と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用して行わなければならないとされています(公認会計士法24条の4本文)。

つまり、監査報告書のサインを2名以上にするか、あるいは、監査報告書のサインを単独にするにしても、公認会計士の補助者が必要になるということですね。なお、24条の4の但し書きに、やむを得ない場合は単独でもOKとあります。

こちらの規定は、公認会計士法施行規則11条にあります。

一 共同して監査証明業務を行う他の公認会計士又は補助者として使用する他の公認会計士が登録を抹消されたこと。
二 共同して監査証明業務を行う他の公認会計士又は補助者として使用する他の公認会計士が事故、病気その他これに準ずる事由により業務を行うことができなくなったこと。
三 共同して監査証明業務を行う他の公認会計士若しくは監査法人又は補助者として使用する他の公認会計士が移転したことにより、当該他の公認会計士若しくは監査法人と共同し、又は当該他の公認会計士を補助者として使用して行うことができなくなったこと。
四 共同して監査証明業務を行う監査法人が解散したこと。
五 前各号に準ずるやむを得ない事情であって、当該公認会計士の責めに帰すべき事由がないもの

というわけで、当初から単独で監査報告書のサインをし、補助者がなしというパターンでは許容されないと考えられます。