いわゆる少額資産の償却資産税における取扱い

1単位当たり10万円未満の減価償却資産は、法人の場合だと、費用処理していれば償却資産税の課税対象外、資産計上していれば償却資産税の課税対象というように取扱いに違いがあります。

これは、法人税の少額資産に関する規定が、「内国法人がその事業の用に供した減価償却資産…で、取得価額…が十万円未満であるもの…を有する場合において、…損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する」となっていることが根拠になります(法人税法施行令133条1項)。

「損金経理をしたときは」とあるので、資産に計上する場合と、損金(費用)に計上する場合の2パターンがあるため、償却資産税でも差が出るわけですね。

ちなみに個人事業主の場合は、所得税法の少額資産に関する規定が、「居住者が…所得を生ずべき業務の用に供した減価償却資産…で、取得価額…が十万円未満であるもの…については、…所得の金額の計算上、必要経費に算入する。」となっており、法人税とは異なり、資産に計上するパターンを想定した条文になっていません(所得税法施行令138条1項)。

では、資産計上した場合はどうなるのか?ということですが、資産計上されたものは、会計・税金の計算ソフトを使って作成した場合、「償却資産課税台帳」に反映されると思います。償却資産税は、償却資産課税台帳の価格を基礎に課税されるので(地方税法349条の2)、少額資産であっても資産計上すると課税対象になってしまうものと考えられます。